ベル麻痺・ラムゼイハント症候群と鍼灸治療|伊勢崎市

顔面神経麻痺と鍼灸治療|伊勢崎市でお悩みの方へ

こんにちは。伊勢崎市の くにさだ鍼灸整骨院 代表 飯島 です。
今回は「顔面神経麻痺」の原因や症状の種類、そして鍼灸治療が適応になる場合・ならない場合について、臨床経験を踏まえながら詳しくご説明します。

顔面神経麻痺は、表情が作れない・口角が下がる・目が閉じにくいなど、日常生活や人とのコミュニケーションに大きな支障をもたらすつらい症状です。早期に正しく見極め、適切な治療を行うことが回復の鍵となります。

顔面神経麻痺とは?

顔面神経麻痺とは、脳から顔に分布する 顔面神経 の働きが障害されることで起こる病気です。顔面神経は「表情筋を動かす運動神経」に加え、「味覚・涙腺・唾液腺などを司る神経」も含まれているため、障害が起こると幅広い症状が現れます。

代表的な症状は以下の通りです。

  • 額にしわを寄せられない
  • まぶたが閉じられず、目が乾燥する
  • 口角が上がらず、よだれが垂れる
  • 水を飲んでも口からこぼれてしまう
  • 口笛が吹けない
  • 味覚の異常
  • 涙や唾液の分泌異常
  • 難聴・めまいを伴う場合もある

一見「顔だけの症状」に思われがちですが、生活全体に影響するため、早期の正しい対応が重要です。

顔面神経麻痺の種類

顔面神経麻痺には、大きく分けて 「末梢性」「中枢性」 の2種類があります。

● 末梢性顔面神経麻痺

脳から出た後の神経が障害されるタイプです。原因の多くはウイルス感染(単純ヘルペスなど)や血流不良による圧迫で、顔の片側に起こります。
典型的には ベル麻痺ラムゼイ・ハント症候群 が代表です。

● 中枢性顔面神経麻痺

脳梗塞や脳出血など、脳そのものに障害があるタイプです。こちらは鍼灸では直接治療できず、医療機関での精査・治療が必要 です。

末梢性と中枢性の見分け方

もっとも簡単な目安は「おでこのしわ」です。

  • おでこにしわを寄せられる → 中枢性(鍼灸の適応外)
  • おでこにしわを寄せられない → 末梢性(鍼灸の適応の可能性あり)

これは診断の補助的な方法であり、正確には医療機関での検査が必要です。しかし、鍼灸院に相談される方にもご理解いただきやすい基準となります。

鍼灸が適応となるのは末梢性

鍼灸治療の適応は、基本的に 末梢性の顔面神経麻痺 に限られます。

とくに発症初期で「変性度(神経障害の重症度)」が 1〜2程度の軽度 であれば、鍼や電気刺激が良好に反応し、比較的早期の回復が期待できます。

  • 軽度(変性度1〜2):早期回復の可能性が高い
  • 中等度(変性度3):繰り返し施術を続けることで回復が進むケースあり
  • 高度(変性度4〜5):鍼灸だけでの改善は難しく、後遺症が残る可能性が高い

このように、鍼灸治療は症状の程度を見極めて適応を判断する必要があります。

代表的な末梢性顔面神経麻痺

1. ベル麻痺

顔面神経麻痺の 8〜9割 を占めるタイプです。原因は不明ですが、血流障害やウイルス感染により神経が浮腫を起こし、圧迫されることで発症すると考えられています。

主な症状

  • 額にしわを寄せられない
  • まぶたが閉じられない(閉眼困難)
  • 口角が上がらない(閉口困難)
  • 鼻唇溝・ほうれい線が薄くなる

ベル麻痺は鍼灸の適応となりやすく、比較的予後が良好とされています。

2. ラムゼイ・ハント症候群

顔面神経に帯状疱疹ウイルス(ヘルペス)が感染して起こるタイプです。発症率は全体の 1〜2割程度 ですが、難聴やめまいを伴うことがあり、重症化すると後遺症が残りやすいのが特徴です。

主な症状

  • 顔面麻痺
  • 耳周囲の水疱や痛み
  • 難聴や耳鳴り、めまい
  • 味覚障害

鍼灸治療での対応は限定的で、まずは耳鼻咽喉科や神経内科での精査・治療が優先されます。

鍼灸治療の方法

当院で行う顔面神経麻痺の鍼灸治療は、麻痺のある側の顔面神経走行に鍼を打ち、通電する 方法です。

主な取穴部位

  • 四白(しはく)
  • 下関(げかん)
  • 陽白(ようはく)
  • 頬車(きょうしゃ)

これらを狙うことで、

  • 表情筋の萎縮を予防
  • 血流改善
  • 神経機能の回復促進

を目指します。

また、鍼と併用して 低周波電気刺激 を与えることで、神経への刺激を持続させ、回復を後押しします。

鍼灸が向いていないケース

鍼灸では改善が見込めない、あるいは対応すべきでないケースもあります。

  • 中枢性の顔面神経麻痺(脳梗塞・脳出血など)
  • 変性度が高度で神経のダメージが強い場合
  • 発症から長期間経過している場合

これらの場合は、医療機関での治療が優先されます。

鍼灸治療を受けるときのポイント

  • 発症から早期に開始すること が予後を左右します
  • 麻痺の程度を見極め、医師の診断と併せて活用すると安心です
  • 施術は継続して行うことが重要で、1回での改善を期待するのではなく、数週間〜数か月単位で回復をサポートしていきます

まとめ|伊勢崎市で顔面神経麻痺にお悩みなら

顔面神経麻痺は、生活の質を大きく下げてしまう疾患です。
その中でも 末梢性のベル麻痺 は鍼灸治療の適応となり、早期に対応することで回復を後押しできます。

伊勢崎市で顔面神経麻痺にお困りの方は、ぜひ一度 くにさだ鍼灸整骨院 にご相談ください。
患者様の症状や発症経過を丁寧に伺い、適応の可否や治療方針についてわかりやすくご説明いたします。

当院は 土曜日・日曜日も診療 しておりますので、平日お忙しい方も安心してご来院ください。

著者プロフィール 飯島 隆行(いいじま たかゆき)

群馬県伊勢崎市『くにさだ鍼灸整骨院』院長

医師に見放され、長い後遺症の経験から、「命の尊さ」と「信じる力」を大切にする鍼灸師。
経絡治療を得意とし、東洋医学の養生法でアドバイスする。

東京自由が丘 脈診臨床研修会所属 認定治療院

飯島 隆行

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