鍼の鎮痛作用と身体に起こる反応
こんにちは。伊勢崎の くにさだ鍼灸整骨院 代表の飯島です。
前回に続き、今回は 「鍼を打つことで身体にどんな作用が現れるのか」 を、臨床現場での実感も交えながらわかりやすくご説明します。
鍼でねらう主な生体反応
1)興奮作用(機能の賦活)
血行不良などで低下している 知覚(痛覚・触圧覚)、運動神経、内臓機能 を必要に応じて“目覚めさせ”、働きを活性化させます。
- 例)しびれで感覚が鈍い、筋力が入りづらい、胃腸の動きが弱い…など
2)鎮静作用(過敏のブレーキ)
反対に、 過剰に高ぶっている神経活動(痛み・こり・自律神経の過緊張など)を落ち着け、基準値に戻す方向へ導きます。
- 例)ギューッと強いこり、ピリピリした痛み、寝つきの悪さ・緊張
3)誘導作用(血流のコントロール)
患部やその近接部位に刺鍼・灸を行い、 必要なところへ血液を集める/炎症が強いときは血流を分散 させるなど、目的に応じて循環を調整します。
- 回復を早めたいとき:修復に必要な血液・栄養を“集める”
- 炎症・腫れ・熱感が強いとき:一時的に“散らす”ことで痛みの軽減を図る
4)防御作用(免疫の底上げ)
一部では、白血球など 防御系のはたらき が高まり、回復を後押しすることが示唆されています。過度な負担をかけず、じわっと体力を底支えするイメージです。
5)転調作用(体質傾向の調律)
アレルギーや自律神経の乱れなど、 “なりやすさ”のクセ に働きかけ、少しずつバランスを整えることを目指します。短期での劇的変化より、中期的な体質づくり を意識します。
6)消炎作用(腫れ・熱・痛みへの配慮)
局所の循環や免疫細胞の動態に影響し、 炎症の鎮まり を促します。腫れ・熱感・痛み・可動制限といった「炎症の5徴候」へのケアとして組み立てます。
灸(きゅう)がとくに得意なポイント
鍼と併用することで、より相乗的な変化をねらえます。灸は特に次の点が臨床上強みです。
- ① 増血のサポート(赤血球数の後押しが示唆)
代謝や冷え対策、疲労回復の観点で役立つケースがあります。 - ② 止血のサポート
軽微な出血傾向の場面での調整に用いることがあります。 - ③ 強心のサポート
全身循環を底上げし、だるさ・冷え・息切れ感の軽減を目指します。
「和痛」を生むメカニズム(やさしい解説)
- 痛覚の閾値を上げる
持続する機械刺激(置鍼・通電など)で、 痛みの感じやすさの基準(閾値) を引き上げ、痛みを感じにくい状態をつくります。 - 内因性オピオイド(エンドルフィン等)
鍼刺激で脳内の モルヒネ様物質 の分泌が高まり、痛みの知覚が和らぐと考えられています。 - 筋緊張のコントロール
刺鍼部位で起こる 反射的な筋収縮→弛緩 により、コリや防御性の筋緊張がほぐれ、循環が改善します。
当院の運用例(安全・効果のための工夫)
- 刺激量のきめ細かな調整
例)肩まわりは 細め×浅め、腰部は 太め×深め を基本に、年齢・体格・感受性で微調整します。 - 通電(低周波)を併用
肩・背中など 深刺が適さない部位 は、間欠的な低周波を用いて無理なく鎮痛効果をねらいます。 - 目的に合わせた配穴
局所(痛点・トリガー)+遠隔(四総穴・原穴・奇穴)を組み合わせ、局所反応/遠隔反応/全身反応 をデザインします。
よくある質問
Q. 何回くらいで良くなりますか?
A. ぎっくり腰など急性期は 1週間で数回 の密度が効果的。慢性痛は 週1回×3~6週 を目安に体調と相談しながら。個人差があります。
Q. 副作用はありますか?
A. 大きな副作用は稀ですが、 だるさ・局所の軽い痛み・内出血 が一時的に出ることがあります。通常は数日で軽快します。
Q. 受けてはいけない人は?
A. 発熱・重い全身症状・広範な皮膚疾患・妊娠初期の特定部位・出血傾向などは 事前に必ずご相談 ください。医科の受診が先行すべきケースもあります。
伊勢崎・太田藪塚エリアでご相談ください
腰痛・肩こり・神経痛、スポーツやお仕事でのケガ、回復期の 治癒促進(リカバリー) まで、お身体の状態と目標に合わせて施術計画をご提案します。
土曜・日曜も受付。まずはお気軽にご相談ください。
