下肢の痺れ・神経麻痺とは?鍼灸による改善法

末梢神経麻痺 下肢編

こんにちは、くにさだ鍼灸整骨院です。今日は前回紹介した末梢神経麻痺の下肢編です。例によって神経の走行から確認していきましょう。


今日は 下肢の神経の走行と神経麻痺 についてお話していきます。

下肢の神経の走行
下肢の神経は大きく 腰神経叢仙骨神経叢 に分かれます。
この2つをまとめて 腰仙骨神経叢 と呼ぶこともありますが、出口が異なるため明確に区別されます。
腰神経叢 … 第12胸神経と第1~4腰神経から出て、骨盤の前面 → 鼠径靭帯の下 → 大腿前面 へ走行します。
仙骨神経叢 … 第4腰神経と第5腰神経が合流し、仙骨神経とともに叢を作り、骨盤後面 → 大坐骨孔 → 臀部 → 大腿後面 へ走行します。
仙骨神経から出る 坐骨神経 は特に重要で、膝の裏で 脛骨神経総腓骨神経 に分かれ、下腿から足先に至ります。

下肢に起こる代表的な神経麻痺
それぞれの神経が障害されると、次のような特徴的な症状が現れます。
① 大腿神経麻痺
原因:糖尿病、血友病、外傷など
障害される筋肉:腸腰筋・大腿四頭筋・縫工筋
症状:歩行困難、膝を伸ばす動作ができない

② 坐骨神経麻痺
下肢の痺れで最も多いタイプ
原因:脊柱・骨盤の外傷や炎症、腫瘍など
症状:膝の曲げ伸ばしの制限、歩行時の不安定さ
③ 総腓骨神経麻痺
前脛骨筋や短指伸筋が麻痺
症状:尖足(つま先立ちのような形)、足首の背屈が困難
④ 脛骨神経麻痺
足底屈曲・足指屈曲ができない
症状:外反踵足(足が外側を向く)

現代医学的な鍼灸治療
鍼灸では、麻痺した筋肉や神経に鍼で刺激を与えて血流を促進し、栄養状態を改善して機能回復を図ります。
例:
脛骨神経 → 委中
浅腓骨神経 → 陽陵泉
深腓骨神経 → 足三里
坐骨神経 → 承扶・殷門
また、お灸は温熱刺激により血管を拡張し、血流促進・回復をサポートします。

低周波鍼通電療法
坐骨神経痛や末梢神経麻痺に対しては 低周波鍼通電療法 を行うことがあります。
坐骨神経 → 承扶・殷門に刺鍼し、痺れが出る部位に響きを確認して通電
脛骨神経領域 → 下腿後面に響きを誘発
腓骨神経領域 → 下腿外側に響きを誘発
通電により下腿三頭筋の収縮や、足関節の背屈・外反が確認できます。
併せて以下の経穴も用います。


腰部:腎兪、大腸兪、膀胱兪、小腸兪
坐骨神経:承扶、殷門
腓骨神経麻痺:足三里、上巨虚、陽陵泉、崑崙
脛骨神経麻痺:委中、承山、承筋

まとめ
下肢の神経は長い経路を走行しているため、障害が起こると 歩行障害・痺れ・筋力低下 など日常生活に大きな影響を与えます。
当院では、神経に沿った鍼灸治療と通電療法を組み合わせ、症状の改善を目指しています。
足先や手先の末梢神経の症状でお困りの方は、一度くにさだ鍼灸整骨院までご相談ください!

著者プロフィール 飯島 隆行(いいじま たかゆき)

群馬県伊勢崎市『くにさだ鍼灸整骨院』院長

医師に見放され、長い後遺症の経験から、「命の尊さ」と「信じる力」を大切にする鍼灸師。
経絡治療を得意とし、東洋医学の養生法でアドバイスする。

東京自由が丘 脈診臨床研修会所属 認定治療院

飯島 隆行

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