【解説】身体に異常がないのに、さまざまな症状が出ます!「腰が痛い…」「よく眠れない…」「イライラする」。検査しても原因は分からないなら、それは不定愁訴(ふていしゅうそ)かも知れません。

【解説】身体に異常がないのに、さまざまな症状が出ます!「腰が痛い…」「よく眠れない…」「イライラする」。検査しても原因は分からないなら、それは不定愁訴(ふていしゅうそ)かも知れません。

「身体の検査をしても原因が分からない…」
「だけれど、身体の調子が悪い…、症状に悩まされる…」

こんな症状が当てはまりませんか?

「腰が痛い…」「頭が重い…」「体がこわばる」
「背中が痛い…」「手足が冷える」「目の奥が痛い…」
「よく眠れない…」「イライラする…」「体がだるい…」「筋肉痛がする…」「めまいがする…」
「お腹が痛くなる…」「頭がぼーっとする」「ご飯が喉を通らない」「日中、眠くて仕方ない」
「疲れが取れない疲れが取れない…」「季節の変わり目によく動悸が起こる」
「長く乗り物に乗るとめまいがおこる」「ストレス性による帯状疱疹ができた」
「仕事の事が頭から離れず夜中に目が覚める」「集中力が散漫になり仕事の効率が落ちている」
「子どもが家を出ていってから虚無感のせいか一睡もできない…」
「主人が定年後から家にいるのでストレスで何も手につかない…」


それは、もしかすると不定愁訴(ふていしゅうそ)かも知れません。
不定愁訴とは、特定の病名がつかない体の不調や症状のことを言います。

  • 検査をしても原因となる病気が見つからない
  • 強い訴えがあるものの、内容が変わりやすい
  • 第三者が見てわかる、客観的な症状が乏しい
  • 症状が一定せず、医学的に原因を説明できない


一般的に不定愁訴は、検査をしても特定の病気が起こらないもの、疲れやだるさ、頭痛、肩こり、めまい、日常、不眠など、さまざまな不快な症状が慢性的に続く状態をいいます。

筋肉の衰えによる変形性の症状を抱えている60代以降の人や、自分の身体のメンテナンスをしていなかった40代以降の現役世代の男性が目立ちます。

1.   原因が分からない不定愁訴の症状とは?


不定愁訴の症状は多岐にわたります。

(1)身体的な症状

  • 頭痛:ズキズキと痛む
  • 肩こりや首の痛み
  • 腰痛
  • めまい、ふらつきや立ちくらみが頻繁におこる
  • 動悸
  • 胃腸の不調や食欲不振や胃もたれ
  • 倦怠感や疲労感、そして、休息しても疲れが取れない
  • 静かな場所に行くと耳鳴りがする
  • 手・足がピリピリとしびれる

(2)メンタル的な症状

  • 特に理由なく不安を感じたり、イライラする
  • 集中力・注意力が低下する
  • 抑うつ感、気分が沈みがちになる
  • 睡眠障害。寝つきが悪い、途中で目がさめる

2.不定愁訴とは何か?

(1)不定愁訴とは

検査をしても特定の病気として診断されないにもかかわらず、様々な身体的・精神的な不調が慢性的に続く状態を通ります。名前が示す通り、症状が特定の部位に限定されず、一時的な違和感や不快感が特徴です。

(2)不定愁訴の特徴

頭痛、めまい、倦怠感、肩こり、習慣、不眠、消化器の不調など、多様な症状が含まれます。原因はストレスなどが考えられています。

多くの場合、日常生活での過労や心理的な負荷が引き金となるため、治療としては、生活習慣の改善や適度な運動、リラックス法、心理的サポートが効果的です。


不定愁訴は、医学的な診断や薬だけでは改善し難しい面があり、総合的なケアや自己管理が重要とされています。

3.なぜ、不定愁訴になるのか?不定愁訴の科学的な研究

不定愁訴の原因は複合的であり、主に以下のような問題が関与していると考えられています。しかし、すべてが解明されたわけではなく、いまでも多様な分野で研究が続けられています。

(1)自律神経の乱れ

自律神経は、心拍や消化、呼吸、体温調節など、体の基本的な機能を無意識にコントロールしています。不定愁訴の患者様は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れていることが多く、特に交感神経が優位になりがちで緊張した時間が続く生活をしています。ストレスや不規則な生活は自律神経に影響し、慢性的な体の不調を引き起こす可能性があります。

(2)心理的ストレス

研究によると、ストレスが脳の視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)に影響を与え、ホルモンバランスがこのようなホルモンのバランスの乱れが、疲労感や倦怠感などがあると考えています。

(3)ホルモンバランスの変化

女性の不定愁訴の中には、ホルモンバランスの影響で起きることも研究されています。エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの変動が、自律神経に影響しておることが示唆されています。

(4)慢性炎症と免疫系の関与

一部の研究では、不定愁訴を持つ人々に慢性炎症の顕著が見られることが報告されています。体内の炎症は免疫反応の一部として存在しますが、慢性的な炎症が神経系や内臓に影響し、痛みや疲労感が生じたと考えられています。

(5)睡眠障害とリズムの乱れ

睡眠の質の低下や睡眠リズムが乱れると、自律神経のバランスが乱れ、不定愁訴の症状を悪化させます。睡眠障害が長期化すると、体のリズムがさらに乱れ、精神的・身体的な症状のもとになります。それらが悪循環し、不定愁訴の症状が移り変わるとも言われています。

(6)科学研究をもとにした不定愁訴へのアプローチ

不定愁訴に対する科学的な研究では、以下のアプローチが取られています。

  • 心理的アプローチ:ストレス管理や認知行動療法、リラクゼーションワークの導入
  • 生理的アプローチ:自律神経活動の計測(心拍変動、皮膚電気反応など)やホルモン値の測定によって、身体内部の状態を評価してみる
  • 薬理的アプローチ:不定愁訴を改善するために、抗不安薬や抗うつ薬、またはホルモン調整薬がどの程度有効であるかの研究
  • ライフスタイル改善:運動、食事、睡眠改善などの生活習慣が症状改善にどの程度影響するかを調査

不定愁訴の原因は多岐にわたるため、治療も多面的で、個別に合わせたケアが有効とされています。

4.    不定愁訴の初期の対策と予防法

不定愁訴とは、特定の病気と診断されないにもかかわらず、疲労感、頭痛、めまい、肩こり、倦怠感、不安感など、身体にさまざまな不調が現れる状態です。この不定愁訴の根本的な原因は、自律神経の乱れや生活習慣、ストレスなどにあると考えられています。

不定愁訴の予防や改善には、日常生活での調整が非常に重要です。以下の対策を日々の生活に取り入れることで、症状の発症を防ぎ、不調を和らげることが期待できます。

(1)規則正しい生活リズムを確立する

自律神経のバランスを整えるには、規則正しい生活が不可欠です。

  • 睡眠:毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計がリセットされ、睡眠の質が高まります。寝る前には、ストレッチや読書など、リラックスできる時間を設けてみましょう。
  • 食事:栄養バランスの取れた食事を規則正しく摂ることが大切です。特に朝食をしっかり摂ることで、ホルモン分泌が安定しやすくなります。

(2)適度な運動を取り入れる

ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、負荷の低い有酸素運動を週に数回行うことは、不定愁訴の予防に役立ちます。また、マッサージやストレッチで筋肉のこわばりをほぐすことも、血行を良くし、体の緊張を和らげる効果があります。

(3)ストレス管理を習慣化する

心理的なストレスは不定愁訴の大きな要因の一つです。自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。趣味に没頭したり、友人との交流を楽しんだり、アロマセラピーなどを試したりするのも良いでしょう。日記をつけたり、専門家に相談したりして、自分の心を整理する時間を作るのも効果的です。

(4)自分の体調を把握する

不定愁訴は、特定のきっかけで症状が現れることがあります。日々の体調や気分を記録することで、どのような時に不調が現れるのかを把握でき、対策が立てやすくなります。

(5)専門家への相談を検討する

不調が続く場合は、できるだけ早く医療機関を受診したり、体の専門家へ相談したりすることが大切です。早い段階で適切なアドバイスや治療を受けることが、症状の悪化を防ぐことにつながります。健康的な日常生活を意識し、不調が現れたら早めに専門家に相談する。これが、不定愁訴の予防と症状緩和の鉄則です。

6.  「不定愁訴を治療してくれる!」治療院の選び方


原因が特定できない不定愁訴を治療するために治療院を選ぶ際には、治療の専門性や実績を考慮し、一人ひとりの症状に合った治療が受けられる治療院を選ぶことが重要です。

(1) 不定愁訴の専門家として、鍼灸師は多様な症状に対応する知識と経験を有しています

不定愁訴の改善には身体の調整だけでなく、心と体を総合的にケアすることが大切です。鍼灸治療院では、東洋医学の観点から、全身のバランスを整え、心身両面からのサポートが期待できます。

(2) 自律神経のバランス調整に、鍼灸は穏やかで効果的なアプローチが可能です

不定愁訴は自律神経の乱れが深く関わっていることが多いため、自律神経を整える施術は非常に重要です。鍼灸は、繊細な刺激によって自律神経の働きを調整し、心身の調和を取り戻すサポートをします

(3) 丁寧な問診と、東洋医学に基づいた多角的なアプローチが期待できます

長期間のストレスが不定愁訴の原因となっている場合、丁寧なカウンセリングと、東洋医学的な体質診断に基づいた鍼灸治療を提供する治療院が適しています。特に、じっくりと話を聞き、体質や症状に合わせたオーダーメイドの施術をしてくれる治療院であれば、根本的な原因への対応が期待できます。

(4) 口コミや評判のチェック

実際に鍼灸治療を受けた方の口コミや評判をチェックしてみてください。不定愁訴の改善に関する具体的な声や、治療方針、施術者の人柄などを参考に、安心して通える治療院を選びましょう。料金体系の明確さや利便性も考慮に入れると良いでしょう。

(5) 根気強く治療に取り組むことが大切です

不定愁訴の治療は、1回で劇的な改善が見られるとは限りません。鍼灸治療は、身体が本来持つ自然治癒力を引き出すことを目的としており、継続的な治療によって徐々に効果が現れることが多いです。信頼できる鍼灸師と二人三脚で、根気強く治療に取り組むことが大切です。

著者プロフィール 飯島 隆行(いいじま たかゆき)

群馬県伊勢崎市『くにさだ鍼灸整骨院』院長

医師に見放され、長い後遺症の経験から、「命の尊さ」と「信じる力」を大切にする鍼灸師。
経絡治療を得意とし、東洋医学の養生法でアドバイスする。

東京自由が丘 脈診臨床研修会所属 認定治療院

飯島 隆行