[薬を飲みたくない方]耳鳴りがつらいときは鍼灸治療がおすすめ!

[薬を飲みたくない方]耳鳴りがつらいときは鍼灸治療がおすすめ!

期待できる効果や注意点を解説

音が出るものがないのに、耳の中や頭の中で金属音や電子音・風の吹くような音が聞こえたことがある方もいるのではないでしょうか。耳鳴りを自覚すると、聞こえてくる音が気になってしまい不安やストレスを抱えることも少なくありません。

耳鳴りには鍼灸治療が有効とされており、耳の血行改善や自律神経の調整などの効果が期待できます。

そこで今回は、耳鳴りに悩んでいる方向けに鍼灸治療で期待できる効果や、治療を受ける際の注意点などについて詳しく解説します。耳鳴りに困っている方はぜひ参考にしてください。

耳鳴りとは一体どんな症状?

耳鳴りとは身体の外側に音を出すものがないのに、耳の中あるいは頭の中で音が聞こえる現象であり、日本人の約10%~20%の方が耳鳴りを感じるといわれています。耳鳴りの雑音は多種多様であり、セミの鳴くような「ジーン」という音や、「キーン」「ピー」といった金属音や電子音に似た音を感じる場合もあります。

なぜ音を発するものがないのに聞こえるのか、音の振動が伝わるルートのどこかに異常があると考えられていますが、耳鳴りのメカニズムについては未だに解明されていません。

ここでは、耳鳴りの種類や原因となる疾患・症状について解説します。

耳鳴りは2種類に分類される

耳鳴りは以下の2種類に分類されます。

<耳鳴りの種類>

  • 自覚的耳鳴り
  • 他覚的耳鳴り

「自覚的耳鳴り」は自分にのみ聞こえている耳鳴りであり、他の人に聞こえることはありません。多くの耳鳴りの症状は自覚的耳鳴りといわれており、疾患やストレスなど原因となる要素が多いため、原因の特定が難しいです。

耳鳴りの原因である音源が耳の中にあり、聴診器などを近づけると他の人にも聞こえるのが「他覚的耳鳴り」です。筋肉の痙攣や関節の動く音などが原因とされており、それらを解消すれば改善が見込めます。なか     には首の動脈硬化などが原因である可能性も考えられるため、一度病院で診断を受けることをおすすめします。

耳鳴りの原因となる主な疾患

耳鳴り(自覚的耳鳴り)の原因となる主な疾患は以下のとおりです。

<耳鳴りの原因となる主な疾患>

  • 内耳炎
  • 急性感音難聴
  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 低音障害型感音難聴
  • 騒音性難聴
  • 精神的または肉体的疲労
  • うつ病や不安神経症
  • 不眠症

内耳炎やメニエール病など明確な疾患が原因で耳鳴りが発生する場合もあれば、精神的または肉体的な疲労によるストレス性の耳鳴りも考えられます。耳鳴りの症状が気になる方は、まず病院で診察を受けて疾患がないかどうか確認しましょう。

耳鳴りに対する鍼灸治療の効果

耳鳴りに対して期待できる鍼灸治療の効果は以下のとおりです。

  • 不安やイライラ・緊張状態を和らげる
  • 自律神経の乱れを整える
  • 内耳の血流を改善させる

灸治療で期待できる効果について詳しく解説するので、耳鳴りでお困りの方はぜひチェックしてください。

不安やイライラ・緊張状態を和らげる

不安やイライラによって耳鳴りが大きくなってしまう場合があるので、大脳辺縁系の働きを調節し緊張状態を和らげることで耳鳴りの改善につなげます。脳幹などの大脳辺縁系が鍼灸治療の刺激を受けると、ドーパミンなどが分泌され、衝動や欲望が抑制され心が落ち着くといわれています。

さらにストレスを和らげるセロトニンや、やる気が出るノルアドレナリンなどが分泌されるため、耳鳴りで不安やイライラを感じている方も症状が和らぐでしょう。

自律神経の乱れを整える

鍼灸治療は副交感神経を優位にする効果が期待でき、自律神経の乱れによる耳鳴りの緩和につながります。そのためストレス性の突発性難聴などが原因の耳鳴りの場合は、鍼灸治療で自律神経を整えることで改善できるでしょう。

内耳の血流を改善させる

耳周辺の血流が悪くなると内耳に必要な酸素や栄養が行き届かず、突発性難聴などの症状につながり耳鳴りの原因となると考えられます。そのため内耳の血流を改善することで、耳鳴り緩和効果が期待できます。

耳鳴りを和らげるにはどのツボを刺激する?

耳鳴りでお困りの方の鍼灸治療では、主に以下のツボを刺激し症状の改善を試みます。

翳風(えいふう)
耳たぶの裏、口を開けるとくぼむ部分
耳鳴り・首回りの血行を改善

耳門(じもん)
耳の穴の前にある突起の上にあるくぼみ
耳鳴り・自律神経のバランスを改善

聴宮(ちょうきゅう)
耳の穴付近、口を開けるとくぼむ部分
耳鳴り・頭痛・めまい・難聴・歯痛

風池(ふうち)
後頭部の首の付け根、大きなくぼみの外側
耳鳴り・自律神経のバランスを改善

曲池(きょくち)
肘を曲げたときにできるシワの外側の端
耳鳴り

角孫(かくそん)
耳の先端の上、生え際あたりのくぼみ
耳鳴り・頭痛・自律神経の調整・ホルモン調整

耳鳴りは睡眠不足やストレス、血行不良が主な原因となりやすいため、鍼灸治療では血行改善や自律神経を整えるツボを刺激する場合が多いです。院によっては問診の際に耳鳴りの原因を確認するために、日頃の身体の状態や最近かかった病気などについて聞く場合があります。

鍼灸治療を受ける際には、身体の状態や持病・近頃の体調不良などについて答えられるようにしましょう。

耳鳴りで鍼灸治療を受けるときの注意点

耳鳴りで鍼灸治療を受ける際に注意すべきポイントは以下のとおりです。

<耳鳴りで鍼灸治療を受ける際に注意すべきポイント>

  • 睡眠不足・ストレスを放置すると悪化してしまう可能性がある
  • 耳鳴りの原因がわからない場合は病院での診察を受ける

下記にて、それぞれの注意点について解説します。

睡眠不足・ストレスを放置すると悪化してしまう可能性がある

耳鳴りを予防する方法と悪化させない方法は同じであり、ストレスを溜めないことが大切です。また、睡眠不足でも耳鳴りが悪化することがあるので、しっかり睡眠をとるようにしましょう。

ストレスを溜めないことは難しいですが、できる範囲で以下のことを実践してみてください。

<ストレスを溜めないように気をつけるポイント>

  • よく眠る
  • 趣味の時間を作る
  • 適度に運動する
  • 規則正しい生活をする

耳鳴りを気にすれば気にするほど、症状がどんどん悪くなっていると感じる場合もあるので、耳鳴りがあってもあまり気にしないことも大切です。

耳鳴りの原因がわからない場合は病院での診察を受ける

耳鳴りに悩んでいる方ではっきりとした原因がわかっていない場合は、病院で診察を受けましょう。耳鳴りの原因として、主に内耳炎のような耳の疾患や不眠症・自律神経失調症など心因的な疾患が挙げられますが、脳腫瘍や脳血管障害など中枢疾患が隠れている可能性もあります。

鍼灸治療は、自律神経を整えたり内耳の血流を改善させたりなど、あくまで耳鳴りの症状を和らげる効果が期待できます。原因がわからないまま鍼灸治療をした場合、耳鳴りは緩和されても原因となる疾患に気づかない恐れがあるため、まずは病院で耳鳴りの原因を特定させることが大切です。

耳鳴りにお困りの方は「くにさだ鍼灸整骨院」へお越しください!

今回は、耳鳴りに対する鍼灸治療で期待できる効果や、治療を受ける際の注意点について解説しました。耳鳴りの原因は耳や大脳辺縁系の疾患・ストレスなど多種多様であるため、まずは病院で診察を受けて原因を探すことが大切です。

鍼灸治療では耳周辺の血行改善や自律神経の調整、イライラや不安の抑制などの効果が期待できます。耳鳴りの症状はストレスや不安によって悪化する可能性もあるため、日常生活でも規則正しくストレスを溜めない生活を送ることが重要です。

「くにさだ鍼灸整骨院」では、イライラや悩みやすいなどの精神面・感情面に作用する理論を積極的に活かし鍼灸治療を進めています。伊勢崎市で耳鳴りにお困りの方は、ぜひお気軽にくにさだ鍼灸整骨院へお越しください。

著者プロフィール 飯島 隆行(いいじま たかゆき)

群馬県伊勢崎市『くにさだ鍼灸整骨院』院長

医師に見放され、長い後遺症の経験から、「命の尊さ」と「信じる力」を大切にする鍼灸師。
経絡治療を得意とし、東洋医学の養生法でアドバイスする。

東京自由が丘 脈診臨床研修会所属 認定治療院

飯島 隆行