「お灸ってどんな効果があるの?いつから効果を実感できるの?」「お灸は熱くてやけどしたり跡が残ったりするかもしれないから心配」とお灸に興味を持ちつつも、受けるかどうか迷っている方が多いでしょう。
そこで今回は、お灸の効果とその効果を実感できるまでの期間についてわかりやすく解説します。お灸の種類と方法についても紹介しますので、治療を受けるか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
お灸とは
お灸とは「鍼灸治療」の一種で、もぐさを燃やした熱で経穴(けいけつ)を刺激して、さまざまな症状を緩和する東洋医学の治療法です。お灸は薬を使わずに自然治癒力を高めることにより効果を表します。鍼灸師は「はり師」「きゅう師」の国家資格を取得しているため、お灸単独ではなく鍼と合わせて鍼灸治療として行われるのが一般的です。
お灸による治療を行うには「きゅう師」という国家資格が必要です。高校卒業後、大学または専門学校で3年以上お灸に関する知識と技能を学び、養成課程を修了したら国家試験の受験資格が得られます。国家試験に合格すると「きゅう師」の免許を取得でき、初めてお灸による治療ができる「きゅう師」として就職ができるのです。鍼灸師は鍼灸に関する知識と技能を習得した専門家ですので、安心して治療を受けられます。
また、お灸を受ける際に「やけどするのではないか」「お肌に跡が残るのではないか」と不安になる方が多くいらっしゃいますが、お灸はやけどするほど熱くありません。熱いというより、お灸を据えた場所がじんわりと温かく感じる程度です。お灸の種類によっても、どのくらい熱さを感じるのかは異なります。
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お灸で使われるもぐさって何?
お灸で「もぐさ」が使われると聞いても、どのようなものか詳しくご存じない方が多いでしょう。「もぐさ」は草餅などの和菓子で使われる「よもぎ」から作られます。よもぎはキク科ヨモギ属の植物で、昔から日本だけでなくヨーロッパでも薬草・ハーブとして使われてきました。止血、虫刺されによるかゆみの緩和、鎮静・鎮痛効果があるといわれています。
さらに乾燥したよもぎは「艾葉(がいよう)」と呼ばれ、身体を内側から温めることにより下痢や便秘、胸やけなどの胃腸の症状を緩和する効果が期待できる生薬として広く使われています。
よもぎを刈り取り乾燥させてから臼で砕き、葉や茎を取り除いてよもぎの葉の裏にある白い綿毛を集めます。よもぎの200分の1しか取れない貴重な白い綿毛を集めたものがもぐさです。もぐさにはシオネールと呼ばれる精油成分が含まれており火がつきやすく消えにくいため、お灸には最適な植物なのです。
お灸に期待できるすごい効果
お灸に期待できる効果は以下の通りです。
・血流改善・血液の質の向上
・自律神経の正常化
・免疫力の向上
・痛みの緩和 など
お灸には血流を改善し、自律神経の働きを正常化することで人間が本来持っている自然治癒力を高めて幅広い症状を緩和するすごい効果があるのです。
ここからはお灸の効果について詳しくご紹介します。
血流改善・血液の質の向上
温熱効果により筋肉やリンパも刺激されリンパの流れも改善するため、むくみ解消の効果も期待できます。
また、もぐさは赤血球の産生を促して血液中の酸素量を増やしたり、血液の酸化を防いだりして血液の質を高めるともいわれています。
自律神経の正常化
経穴にお灸をすると、ストレスなどによる影響で乱れた自律神経の働きが整います。自律神経の働きが正常化すると、体温調整やホルモンバランスが適切な状態に調整され、頭痛、めまい、肩こり、月経不順、便秘、下痢、手足の冷えなど自律神経の乱れからくるさまざまな不調の改善に役立ちます。
ホルモンバランスが整いますので、妊活にも良い効果が期待できるのも効果の一つです。
免疫力の向上
お灸の温熱刺激により身体の免疫機能に関わる物質である「サイトカイン」の分泌が促されると同時に、ウイルスの感染から身を守る働きをする白血球が活性化されるため、免疫力が向上するといわれています。
さらに熱刺激によるダメージを受けた細胞が修復する際に、「ヒートショックプロテイン」というタンパク質を分泌することから免疫細胞の働きを強化するともいわれているのです。
免疫力の向上により、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなる効果が期待できます。
痛みの緩和
お灸の熱で血管が正常な状態に戻り、血流が改善されて痛みの原因となる物質が体外に排出されることと、もぐさの原料であるよもぎに含まれるシオネールと呼ばれる精油成分がお肌から浸透することにより痛みを和らげます。主に肩こりや腰痛などの痛みに効果が期待できます。
その他
ここまで紹介した効果以外にも、お灸には以下のような効果が期待できます。
- ・腸内環境改善効果
- ・代謝機能の向上
- ・高血圧の改善
- ・ストレスによる症状の緩和
- ・リラックス効果
お灸には全身のさまざまな不調を改善する効果があるのです。
お灸の効果はいつから実感できるのか
お灸の効果を実感できるようになるまでには少し時間がかかります。施術当日に効果を実感できる方もいらっしゃいますが、人によっては数日から数ヶ月かかる場合もあり個人差が大きいのが特徴です。昔から「お灸100日」といわれているように、3ヶ月くらい継続すると効果を実感しやすくなります。
なぜお灸で効果が出る?
➀温熱刺激により全身の血流が改善して身体が温まる
②リンパの流れが良くなりむくみ解消に役立つ
③自律神経が整い体温調整やホルモンバランスが正常になることで、さまざまな不調が改善する
④免疫に関わる物質の分泌が促されたり白血球が活性化したりして、免疫力が高まる
⑤血流が改善することで痛みの原因となる物質が体外に排出されやすくなり、痛みの改善が期待できる
⑥もぐさに含まれるシオネールの効果により鎮静・鎮痛効果、抗菌効果、免疫力向上が期待できる
このようにお灸はその温熱刺激やもぐさに含まれるシオネール自体の作用により、血流やリンパの流れを改善し冷え性やむくみの改善や痛みの緩和に役立つといわれています。さらに自律神経の働きが整うことにより体温調整やホルモンバランスが正常化するため、さまざまな症状を改善する効果が期待できるのです。その効果は論文などでも発表されています。
お灸の種類と治療方法
ここからはお灸の種類と治療方法についてご紹介します。お灸の種類や具体的な治療方法がわかると、安心して治療を受けられるようになるでしょう。
直接灸
「直接灸」とは、鍼灸院で一般的に行われているお灸で、米粒の半分程度にしたもぐさを経穴の上に置き、お線香で火をつけます。直接的にお灸による温熱刺激が身体に伝わる方法です。また、専門家である鍼灸師が施術するため、やけどのリスクは限りなく低いといってよいでしょう。
直接灸には、透熱灸(とうねつきゅう)、知熱灸(ちねつきゅう)、焼灼灸(しょうしゃくきゅう)、打膿灸(だのうきゅう)などさまざまな種類があります。お悩みの症状に合わせて鍼灸師がどの種類の直接灸を行うかを決めます。
間接灸
「間接灸」とは、もぐさとお肌の間に空間をあけたり、物を挟んだりして行うお灸です。台座灸(だいざきゅう)、円筒灸(えんとうきゅう)などの種類があり、海外では間接灸が主流です。
お灸とお肌に距離があるため、やけどや跡が残るリスクがほとんどありませんので安心して行えます。市販のお灸は一般の方が使用するため、台座灸と呼ばれる安全性の高い間接灸が広く販売されているのです。
棒灸
間接灸の一つである「棒灸」とは、もぐさを和紙でくるみ、棒状に固めたお灸です。棒灸の先端に火をつけて燃やし、経穴や身体が冷えている箇所に燃えている部分を近づけて熱による刺激を与えます。
灸頭鍼
「灸頭鍼」は間接灸の一つであり、経穴に刺した鍼の上にもぐさをつけて燃やす方法です。鍼の刺激とお灸の温熱刺激を同時に行えます。
お灸の効果に興味がある方は「くにさだ鍼灸整骨院」まで!
今回は、お灸のすごい効果とその効果を実感できるまでの期間、お灸の種類・治療方法についてご紹介しました。お灸はその温熱刺激で全身の血流を改善し自律神経の働きを整えることにより、さまざまな症状を改善する効果が期待できる治療法です。
「くにさだ鍼灸整骨院」では、国家資格を持つ経験豊富な鍼灸師がお灸を使った治療を行っています。伊勢崎市周辺でお灸に興味をお持ちの方は、当院にお越しください。