鍼灸の効果とは?治療が効く仕組みや、実感できるまでの期間を紹介
「鍼灸って本当に効果があるの?」「効果を実感できるまでどのくらいかかるの?」など、鍼灸の効果について疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、鍼灸治療の効果や効く仕組み、実感できるまでの期間について、わかりやすく解説します。鍼灸治療の効果を期待できる症状についても紹介していますので、治療を受けるかどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
鍼灸とは?
鍼灸とは、東洋医学の一種で中国に起源をもつ伝統的な治療法です。経穴(けいけつ)、いわゆるツボに鍼や灸を施し、物理的な刺激を与えることで自然治癒力を高めます。薬を使わず、「人間が本来持っている治す力」を高める身体にやさしい治療法のため、副作用の心配がありません。
また、日本で鍼灸を行うには、「はり師・きゅう師」の国家資格が必要です。はり師・きゅう師の資格を取得するためには、まず受験資格を満たす必要があります。受験資格を得るには、高校卒業後に大学の鍼灸学科や専門学校で学び、東洋医学などの知識や鍼灸に関する技能を身につけなければなりません。
そのうえで「はり師」「きゅう師」それぞれの国家試験を受けて合格した方が鍼灸の施術を行えるのです。
鍼灸は東洋医学の治療法の一つ
先述した通り、鍼灸治療は東洋医学の治療法です。東洋医学では、人間の身体には12種類ほどの気・血・水の流れがあると考えられています。
気・血・水の意味は以下の通りです。
・気:精神的・神経的・機能的変調
・血:血液・血液循環と心や肝などの変調
・水:体液および水分代謝の異常
鍼灸では、施術前に脈診を行い、この流れが正常かどうかを見極めます。
鍼灸の歴史
鍼灸の歴史は、2000年以上前の古代中国まで遡ります。6世紀頃、朝鮮半島から日本へ伝わり、日本に普及し発展していきました。
その後西洋医学が導入され、戦後GHQが鍼灸を禁止しようとしましたが、民間療法として存続し、以下のようにWHO(世界保健機構)にも認められる治療法となったのです。
1979年:WHOが鍼灸治療の適応疾患を発表
1989年:鍼灸用語がWHOジュネーブ会議で正式に承認
2008年:WHOによる公式な経穴位置が定められた
現在では、さまざまな研究論文が発表され、エビデンスのある治療法として認められています。
鍼灸治療の効果が期待できる症状
1996年にWHOが鍼灸治療の適応疾患としたものを以下の表にまとめました。
分類 |
適応疾患名・症状 |
上気道疾患 |
慢性副鼻腔炎 |
呼吸器系疾患・症状 |
扁桃摘出後疼痛、急性扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、気管支喘息 |
眼の疾患 |
近視 |
口腔の疾患・症状 |
抜歯疼痛 |
内科疾患・症状 |
下痢、過敏性腸症候群、便秘、腎石疼痛、胆石、胆石疝痛、胆道回虫症、胆道ジオキネジー、狭心症を伴う虚血性心疾患、高血圧、低血圧、不整脈、白血球減少症 |
神経学的および筋・骨格系疾患・症状 |
上顆炎(テニス肘)、頚部筋筋膜炎、頚椎炎、上腕肩甲関節周囲炎(肩関節周囲炎)、慢性関節リウマチ、変形性膝関節症、捻挫と打撲、頭痛、片頭痛、緊張性頭痛、坐骨神経痛、腰痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、遺尿症、尿失禁、尿閉、メニエール症候群、神経循環性無力症 |
その他の疾患・症状 |
月経困難症、分娩の誘発、月経異常、女性不妊、男性不妊、インポテンス、肥満、片麻痺、うつ病、アルコール中毒、薬物中毒、術後疼痛 |
この表からもわかるように、鍼灸治療は幅広い病気に効果がある治療法といっても過言ではないでしょう。
なぜ効く?鍼灸治療で効果が出る仕組み
ここからは、「鍼灸治療に効果があるのはわかったけれど、なぜ効くの?」といった疑問をお持ちの方に向け、鍼灸治療が効く仕組みについて解説します。
鍼灸治療は以下のことが起こるため、効果が表れるのです。
①固くなった筋肉が緩む
②血液循環がスムーズになる
③自律神経が整う
④免疫機能が活性化する
⑤痛みを強くする物質の働きを抑えられる
それぞれについて、詳しく解説します。
①固くなった筋肉が緩む
鍼灸治療を受けると、固くなった筋肉が緩みます。筋肉が固くなっているときは、交感神経が優位になり、筋肉の緊張(筋張力)が高まっている状態です。鍼刺激には交感神経の働きを抑える効果があるため、筋肉の緊張が緩むという仕組みです。
固くなった筋肉が緩むと、以下のようなメリットがあります。
・筋肉の血流改善
・肩こりや、頭痛などの身体の痛み改善
・リラックス効果
交感神経の働きを抑えられると副交感神経が優位になり、リラックス効果も期待できるのです。
②血液循環がスムーズになる
血液循環が悪くなる要因の一つに、筋肉が固くなり筋ポンプ作用がうまく機能していないことが挙げられます。筋ポンプ作用とは、筋肉が伸びたり縮んだりして血液を循環させる作用のことです。特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるくらい、心臓から離れた下半身から血液を心臓に戻す重要な役割を担っています。
しかし、筋肉が固くなり血流が悪くなると、この筋ポンプ作用がうまく働かなくなってしまい、むくみや冷えの原因となります。さらに、腎臓から老廃物を排泄する機能まで低下してしまい、さまざまな身体の不調を引き起こしやすくなってしまうのです。
血液循環が改善されると、以下のようなメリットがあります。
・冷え性の改善
・肌トラブルの改善
・便秘やむくみの改善
酸素や栄養を豊富に含んだ新鮮な血液が身体のすみずみまで行き渡ると、肌トラブルも改善しやすくなります。
③自律神経が整う
鍼灸治療には、身体の機能を調整する自律神経の働きを整える効果があります。そのため、鍼を刺したり、お灸を据えたりした場所に部分的な効果を発揮するだけでなく、全身の症状を改善できます。
また、灸治療は熱の刺激を身体に与え、代謝を高める効果や副交感神経を優位にする作用があり、心身をリラックスさせます。
免疫機能が活性化する
血液中にある白血球は、ウイルスや菌など外から侵入してきた物質と戦い、身体を守る働きを担っています。
鍼灸治療は、免疫系の細胞にも働きかけ活性化するため、免疫機能の向上に役立つといわれているのです。
痛みを強くする物質の働きを抑えられる
鍼灸治療には、痛みを強くする物質の働きを抑え、痛みを緩和する効果もあります。
触った感覚を伝える神経は、痛みを感じる神経よりも速く脳に情報を伝達します。そのため、痛みを感じている部位に別の刺激を与えることで、痛みを緩和できるのです。この脳の仕組みを「痛みのゲートコントロール理論」と呼びます。
鍼灸治療では、痛みのゲートコントロール理論の仕組みによって、痛みを緩和できると考えられています。
鍼灸治療の効果はいつから実感できる?持続期間はどのくらい?
鍼灸治療の施術直後から効果を感じたという即効性がある方から、数時間から数日かけて効果を実感した方まで、効果が出るタイミングはさまざまです。
鍼灸治療の効果は一般的に1〜2週間程度は持続するといわれています。体質改善を期待する場合は、3〜6ヶ月程度かかるため、じっくりと気長に通い続ける必要があります。
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