鍼灸治療に副作用はある?知っておきたい施術のリスク・治療院の探し方も紹介
「鍼灸治療に興味はあるけれど、副作用がないか不安」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は鍼灸治療と副作用の関係や、知っておきたい施術のリスクなどについて、詳しく解説していきます。信頼できる治療院を探すポイントについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
鍼灸治療に副作用の心配はある?
鍼灸治療とは、身体の痛い箇所やだるい部分に直接鍼を打ったり、お灸を据えたりすることで経穴(いわゆるツボ)を刺激し、血流の改善や筋肉のコリをほぐしていく治療法です。
薬を使用せず、人が持つ「自然治癒力」を最大限に発揮させて不調の改善を目指すため、一般的には薬のような副作用の心配はないとされています。
鍼灸治療後の体調不良は好転反応(瞑眩)
ただし、鍼灸治療後に倦怠感などの症状が出ることがあります。これは「好転反応(瞑眩)」と呼ばれるもので、鍼灸治療によって体の不調が回復していく過程で出ることがある反応です。
鍼灸治療で起こりやすい好転反応や症状には、次のようなものがあります。
<鍼灸治療で起こりやすい好転反応・症状>
・症状の悪化(痛み、肌荒れなど)
・めまい、吐き気
・発熱、頭痛、咳
・下痢
・炎症、かゆみ、発汗
・眠気、不眠
・倦怠感
鍼灸治療後の好転反応についてさらに詳しく知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。
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鍼灸治療の好転反応とは?起こりやすい症状や治療前後の過ごし方を紹介
好転反応(瞑眩)が長引く場合は施術者に相談する
鍼灸治療後の好転反応は、筋肉がほぐれて柔らかくなり、血行が良くなることで表れる症状も多いです。そのため、1日程度で解消することがほとんどでしょう。鍼施術により内出血を起こす場合もまれにありますが、2週間ほどで落ち着きます。
こういった好転反応は一時的なものではありますが、もし症状が長引く場合には、施術者に相談しましょう。体質や体調による可能性もありますので、経過を見ながら治療内容を変えていくことになります。
鍼灸で好転反応(瞑眩)以外の反応がある場合、施術ミスの可能性がある
医学や施術の質が年々進化している現在では、施術ミスは珍しいかもしれませんが、これまで事故が発生したという事実はあるようです。
では、厚生労働省や日本良導絡自律神経学会の情報をもとに、鍼灸治療では実際に好転反応が表れた割合や、どのような施術ミスが発生したことがあるのか見てきましょう。
少し前のものです が、こちらは1974年から1990年まで約15年間の全日本鍼灸マッサージ師会の「110番補償制度の事故調査」のデータです。
事故の種類 |
詳細 |
割合 |
折鍼 |
治療鍼が折れて体内に残ってしまう |
36.0% |
気胸 |
胸膜腔内に誤って鍼を刺してしまった |
22.3% |
熱傷 |
モグサの落下、モグサと皮膚との距離設定の誤り、モグサの材質に問題がある |
13.7% |
一時的な症状悪化 |
頭痛や発熱、倦怠感などの好転反応 |
11.1% |
化膿 |
消毒が不十分な医療器具による感染、灸痕の掻きむしり |
5.6% |
出血 |
治療鍼によるもの |
4.3% |
その他 |
按摩などによる骨折、ベッドからの転落など |
6.8% |
引用:日本良導絡自律神経学会雑誌「鍼灸治療における過誤・副作用の予防と対処について」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ryodoraku1986/45/1/45_1_116/_pdf
鍼灸治療を受けた後、こういった好転反応だと思われるものではない症状が身体に出た場合は、施術ミスや事故であることが考えられます。「一時的な症状悪化」を除き、これらは施術ミスや事故です。鍼灸治療による副作用とは異なるものですので、損害賠償に発展するケースもあります。
参考:厚生労働省「海外の情報 鍼治療」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c02/01.html
鍼灸の施術を受けるなら、信頼できる治療院を探そう
このような施術ミスを避けるためにも、信頼できる鍼灸治療院を見つけましょう。こちらではその際のポイントを3つご紹介します。
鍼灸施術者の・経歴をチェックする
鍼灸治療を検討する際は、まずは施術者の資格や経歴、治療の得意分野などをチェックすることをおすすめします。多くの院はホームページを持っており、そこで院の治療方針のみならず、施術者の情報も掲載しています。施術者の持つ知識や経験がどのくらいあるのか知ることができるでしょう。
実際に通っている人の口コミをチェックする
その治療院に通院したことのある人や、現在通院中の人の感想や意見は、信ぴょう性が高いものだといえます。患者目線での院の評判や治療法に対する感想を知ることができますので、ぜひチェックしてみましょう。
初診時の対応も確認する
鍼灸治療は継続して通院することで効果を実感できるようになる治療法です。そのため、受付担当や施術者の対応があまり良くない場合には、通いづらくなっていく可能性もあります。問診や説明なども丁寧でわかりやすいものであるかどうか、治療方針や質問への回答のしかたなどもしっかりチェックしましょう。
【補足】鍼灸治療×がん治療副作用の緩和について研究が進んでいる
近年では、がん患者の苦痛緩和に対する鍼灸治療などの効果を検討する研究も進んでいます。たとえば乳がん患者においては、術後痛に対し37.5%に鍼灸治療の有効性が見られ、抗がん剤による苦痛に対しては16.0%の有効性が見られたとの報告があります。
このように、鍼灸治療はがんの治療にともなう苦痛に対しても、緩和作用の中心となっているとされています。
参考:厚生労働科学研究成果データベース「がん治療による副作用の緩和に関する統合医療の研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/14454
鍼灸治療を受けたい方は「くにさだ鍼灸整骨院」にお越しください!
適切な経穴(ツボ)への鍼やお灸による刺激で、人の自然治癒力を最大限に発揮させて体の不調を改善させる鍼灸治療では、基本的に副作用はないとされています。治療後に表れることのある倦怠感や頭痛といった症状は好転反応(瞑眩)と呼ばれるもので、ほどなく解消されることがほとんどです。
伊勢崎市で鍼灸治療院をお探しの方は「くにさだ鍼灸整骨院」へご相談ください。問診や脈診をとおして、各患者さまに合った治療計画を立て、改善への道のりを一緒に歩みます。