くにさだ鍼灸整骨院の飯島です。
今回は東洋医学の二大巨頭の一角を担う鍼灸治療を行うにあっての、病症病理をどの様に決定して鍼灸治療していくのか、その触りを少しだけ解説させて頂きます。
鍼灸治療における病気の位置、性質などで
病気の位置(深いか浅いか)を表証(ひょうしょう) 裏証(りしょう)
病気の状態(性質)を寒証(かんしょう) 熱証(ねっしょう)
気の盛衰を 虚証(きょしょう) 実証(じっしょう)
とういう括りで大別しています。
これらをまとめて八網病症という病を見分けるための分析方法として採用しています。
舌診 腹診 脈診などの鍼灸治療に代表的な分析方法を用いて陰陽虚実の証を決定し、鍼を用いて症に当てはまるツボに虚実に応じた補瀉法を施していきます。
足りないエネルギーを補充するか溢れた余計なエネルギーを抜くという補瀉法が鍼灸治療における根本治療(本治)の大原則です。
当院では主に腕の脈を用いた診断方法を取らせていただいています。
次に表裏、寒熱、虚実について説明していきます。
表裏について
表症
位置的に人体の皮膚や筋肉のより浅い部分の事をさします。
風邪でいうところの初期症状である悪寒発熱(ガクガクブルブルする感じ)頭痛、関節痛などが表証にあたります。
脈診では浮脈をあらわします、浮脈とは軽く触れると触知できるけれど、指を脈に深く按ずると消えてしまうような脈状をいいます。
裏証
内臓(からだの深部)の病をさします、東洋医学における臓腑病症(肝.心.脾.肺.腎)は裏証にあたります。
脈は沈(ちん)といって深いところで触知できる脈を示します。
次に病状です、これは治療を受ける人の体の状態が寒さに傾いているのか、熱さに傾いているのかを区別しています。
これらは寒熱という表現以外にも陰陽というたとえ方もします。
寒熱の偏りは本人の主観や客観的にさわって冷たい、とか、熱いといったことのみで決定するものではありません。
熱証
判断する客観的な指標として、脈が速い、舌が黄色い、顔があかく火照る、口が渇く、頭がぼーっとするといったような状態になります。
熱は上に上がりやすい性質があるため顔に症状が出やすいのが特徴です。
寒証
脈はゆっくりと遅く、本人の感じ方も客観的にも冷たく感じます。
手足が冷たくなりますが、寒は熱に比べて下に行く性質があるため腰から下に症状が出やすいのが特徴です。
印象として青白い人が想像しやすいかと思います。
顔面蒼白、唇も青白くお腹を下して下痢をしやすい、などなど熱証に比べてぱっと見で判断しやすいですね。
次に虚実についてです。
何が虚していて何が実なのかを説明します。
気血の考え方において病気は正気と邪気の比率、盛衰で虚実を判断していきます。
虚証
正気が少なく無気力であり、声に力がない感じです。
寒証と似ている感じがしますね。
実証については先ほども紹介した邪気が体内で優勢になった状態であり気が充満している分が意見も体質も虚証とは逆をいきます。
(人物でイメージして頂くと体力気力ともに充満している若者やぷんぷん怒って怒鳴ってばかりいる人)
最後に陰陽について
陰陽(いんよう)とは八網である表裏寒熱虚実を統括するものです、とても便利な概念ですね
陰…裏証 寒証 虚証 を統括的に捉えています。
陽…表証 熱証 実証 〃
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