鍼治療では内出血を起こす可能性もある。原因や治し方、予防法を紹介
鍼治療では皮膚に細い鍼を刺して治療するため、痛いのではないか、内出血が起こるのではないかと心配で治療に踏み出せない方が多くいらっしゃいます。
今回は、鍼治療で内出血を起こす原因と治し方について解説します。内出血を起こしやすい人の特徴や予防法についても紹介しますので、鍼治療を受けるか迷っている方はぜひ参考にしてください。
鍼治療で内出血が起こる原因
鍼治療のあとに赤紫色のあざのような見た目の内出血が起こることがあります。まずは、鍼治療で内出血が起こる原因について、そのメカニズムなどを解説します。
鍼治療で内出血するメカニズム
鍼治療では皮膚に細い鍼を刺すので、体内の毛細血管を傷つけた場合は皮下組織に血液が滲み出してしまい、内出血となります。
毛細血管が健康で弾力がある場合には、鍼を刺しても弾き返すため傷がつきにくく内出血しにくいといわれており、内出血を起こす頻度はそれほど高くありません。
ただし、何らかの原因により毛細血管がもろくなっている場合には血管壁が破れやすくなるため、目で見てわかるほどの内出血になってしまいます。
鍼治療で使う鍼は非常に細いため、内出血を起こした場合でも跡が残ることはほとんどありません。数週間程度で内出血が消えることが多いです。
鍼灸師が下手だから内出血するわけでない
鍼治療で内出血するのは鍼灸師が下手だからではないかと考える方がいらっしゃいますが、そうではありません。
人間の体内にある血管の長さは合計すると約10万キロメートル、なんと地球2周分もあるといわれています。これだけ長い毛細血管が人間の身体の中に網の目のように張り巡らされているので、毛細血管を避けて鍼を刺すことは熟練した鍼灸師でも困難だといえます。
鍼治療で起こる内出血は悪いことではない
東洋医学では、内出血は体内の悪いものを外に出してくれる現象であり、停滞している気や血液の流れをスムーズにして不調を改善すると考えられています。内出血が起きた部位では新陳代謝が促され、新しい皮膚組織に生まれ変わります。
つまり、内出血が治るプロセスで悪いものも同時に改善し、さまざまな身体の不調も回復するといわれているのです。
鍼治療で内出血を起こしやすい人の特徴
鍼治療で内出血を起こしやすい人には以下のような共通の特徴があります。
- 高血圧・糖尿病・高脂血症などの持病がある
- 血液が固まりにくくなる薬を飲んでいる
- 胃腸が弱っている
- 遺伝など痣ができやすい体質である
- 加齢により血管がもろくなっている
それぞれについて解説します。
高血圧・糖尿病・高脂血症などの持病がある
前述したように、鍼治療で内出血を起こすのは血管がもろくなっていることが大きな要因です。糖尿病、高血圧、高脂血症などの病気の場合、動脈硬化の影響により血管壁が硬くなり破れやすい状態になっているため、これらの持病がある人は鍼を刺した際の刺激で内出血を起こしやすいといわれています。
血液が固まりにくくなる薬を飲んでいる
病気の治療のために抗凝固剤(ワーファリンなど)や血液をサラサラにする薬を内服している人も血液が固まりにくいため、内出血が起こりやすく、消えるまでの時間が長くかかるといわれています。
胃腸が弱っている
疲労やストレス、極端なダイエットなどにより胃腸が弱ってしまうと、消化吸収がうまくできずに栄養不足になっている可能性があります。
栄養が不足すると血管が弱くなり内出血を起こしやすくなるのです。特にタンパク質が不足してしまうと血管がもろくなるといわれています。
遺伝など痣ができやすい体質である
少しぶつけただけでも痣ができやすい体質の人は、鍼治療で内出血を起こしやすいです。遺伝などの影響であるといわれています。
加齢により血管がもろくなっている
歳を重ねると血管がもろくなっていく人が多いです。加齢により全体的に身体機能が低下していく場合が多いため、若い頃よりも血液を固める働きも弱まり、内出血が消えるまでの時間も長くかかるようになっていきます。
内出血の痛みや腫れはどのくらい?
内出血が起きたときの痛みや腫れは個人差が大きいですが、鍼治療による内出血が起きたときにほとんど痛みや腫れを感じなかった人が多いです。ただし、血液が固まりにくい人の場合は内出血の量が多くなり、腫れの程度が強くなることがあります。
また、稀に動脈を傷つけてしまうことがありますが、毛細血管よりも多めの出血が起こるため、鍼灸師が施術中に内出血していることに気づき、すぐに止血してひどい腫れにはならない場合が多いです。
鍼治療で起こる内出血の経過
内出血が起きたばかりの時期は、赤紫色や青みがかった色になる場合が多いです。時間経過に伴い、徐々に内出血の範囲が広がり色が薄くなっていきます。色が薄くなると黄色や緑色に近い色味に変化していくことが多いでしょう 。さらに時間が経つと最終的には消えていきます。
血液が固まりにくい人でなければ、鍼治療による内出血は約2〜3週間で消える場合が多いです。跡が残ることはほとんどありません。
鍼治療で起こる内出血の治し方
鍼治療で起こる内出血の治し方は以下の通りです。
- 内出血が起きたら、まず指で数分間圧迫する
- 保冷剤や氷などで冷やして炎症を鎮める(もんではいけません)
- 落ち着いてきたら、温める
炎症があるときは冷やし、落ち着いたら温めると血流を良くすると皮下組織の新陳代謝が促進されて内出血が早く吸収されるため、治るスピードが早くなる可能性が高いです。
内出血が消えるまでにかかる期間は、血液が固まりにくいなどの特別な事情がなければ早い人で2〜3日、長くかかる場合でも3〜4週間程度です。
数週間経っても内出血が消えない場合は、医師の診察を受けましょう。
鍼治療で起こる内出血の予防法
鍼治療で内出血が起こるのは避けられないとはいうものの、なるべくなら予防したいとお考えの方が多いのではないでしょうか。
鍼治療で内出血を予防する方法は以下の通りです。
- 細い鍼を使ってもらう
- 内出血しやすい場合は鍼灸師に事前に相談する
- 生活習慣を見直す
鍼の太さが太いほど内出血を起こしやすくなるため、0.10mm〜0.18mmくらいの細い鍼を使っている鍼灸院で施術を受けるのも一つの予防法です。なるべく細い鍼を使ってもらえないか鍼灸師に相談してもよいでしょう。
また、先述した内出血しやすい人に当てはまる場合には、事前に鍼灸師にその旨を伝えましょう。鍼の刺し方や抜き方、鍼を抜いたあとの手技など鍼灸師の工夫で内出血の可能性を低くすることもできます。
胃腸の働きが弱っている人は暴飲暴食を避けて、消化の良いものを摂りましょう。また、血管を健やかに保つためにはタンパク質が欠かせません。肉、魚、卵、大豆製品などを積極的にメニューに盛り込むのがおすすめです。
喫煙や運動不足は動脈硬化を進行させ、血管を弱らせる原因となります。禁煙し、適度な運動習慣を身につけるよう、生活習慣を見直す必要があります。
湯船に浸かったり、首の付け根や鼠径部にシャワーをあてたりして身体を温めるのも血流を改善するのに効果的です。
鍼治療に興味がある方は「くにさだ鍼灸整骨院」にお越しください
今回は、鍼治療で内出血が起こる原因と治し方、予防する方法などについて解説しました。鍼治療は国家資格を持つ専門家が行う効果が期待できる治療法です。
「くにさだ鍼灸整骨院」では「鍼を刺すのが怖い」「内出血が心配」という気持ちに寄り添い、慎重に鍼治療を行っています。伊勢崎市で鍼治療による内出血についてお悩みの方は、ぜひ一度くにさだ鍼灸整骨院にお越しください。